とある日、こんなのを電車の中で考えてました。
以下、ちょっと長いです。
遠くない未来、ペースメーカーに絶対に影響しない携帯電話が新しく発売されました。
絶対と言うのは科学的根拠に基づいています。
この新しいタイプの携帯電話が利用する周波数はそもそもペースメーカーに干渉する
ことがありえないという検証結果が世界的に証明されたのです。
さて、その新しいタイプの携帯電話を発売日にすぐ購入して、電車に乗った Aさん。
自身は高齢ながらも健康ですが、優先席に座って携帯電話を操作する事にしました。
このとき周りに人は誰も居ませんでしたが、次の駅でペースメーカーを利用した
B さんが優先席に座ってきました。
この B さんは、目の前で携帯電話を操作している A さんに
「ペースメーカーを利用しているので、携帯電話の利用控えてもらいませんか」
と言いました。A さんはそれに対して
「この携帯は周波数が違うから大丈夫ですよ」
と言いました。B さんは周波数が違う?よくわからないと思いながら、
「お願いします。利用控えてください」
と言いましたが、Aさんはそれに対しても再度
「いやいや、そもそも絶対に影響しないので・・・」
と言い B さんの主張を退けました。
B さんは "携帯電話はペースメーカーに絶対に影響する" という事を信じている人です。
B さんは目の前で携帯電話を操作されることにより、強いストレス・思い込みか何か
わかりませんが、乗車の途中で呼吸困難に陥り、突然倒れました。
A さんはそれを見て、車掌に連絡し、救急車を呼びます。
B さんは診断した医師に「生きてはいるが、目を覚まさない可能性が高い」と診断が
下されたのですが、家族の日々の努力により奇跡的に目を覚ましました。
さて B さんも回復した後、裁判が行われる事になりました。
被告人: A
原告: B
原告: B
B さん側は、
「優先席付近による携帯電話の操作により、心臓ペースメーカーに影響を受け、B は
死の淵に追い込まれた。Bは Aに携帯を控えるように何回も言ったが止めなかった。
この行為は過失致死未遂罪に当たる!」
と裁判で主張。しかし A さん側は
「科学的に携帯電話がペースメーカに影響を与えない事は証明されている」
と主張し、メーカーも巻き込んでの主張を行う。
…で、ここまで電車の中で考えて「真実って何だろうね?」って
思いました。
この場合 A さん側は
「絶対に影響しないという科学的根拠も得られているので無関係である」
そして B さん側は
「携帯電話の使用によりペースメーカーに影響を与えた事により倒れた」
と言う。
重要点を言うと、
B さんは携帯電話がペースメーカーに影響を与えると言うことを、妄信している。
よく耳にする一般例を言うと "想像妊娠" や 効果の無いクスリ を
"風邪に非常に効く" と医者から言われて信じて、
中身の無いカプセルを飲んで風邪を治してしまうという話はよく耳にする。
うみねこ的な赤文字で言うなら B さんの中では、妄信した結果、
携帯電話の使用による影響の結果、私は倒れた
というのは真実である。また A さんとメーカー側も数々の実験・検証を行い、
ペースメーカに、この携帯電話が干渉しないのは科学的根拠に基づいている
というのも真実である。また B さん使用のペースメーカーに対して実験を行っても、
ペースメーカーに新タイプの携帯電話の周波数は影響を与えなかった
と宣言することが出来ました。
さて一見すると 矛盾しているような赤い宣言。
( と言っても、私視点で説明している以上、すでに答えを述べてる様なものですが )
このお話は、観測者によって真実が一つではなくなるのです。
たしかにこの携帯電話はペースメーカーに影響しない事は証明されているが、携帯電話を
利用した結果、呼吸困難になってしまった。
しかし後日検証しても、ペースメーカー自身には影響しない事がたしかに証明された。
裁判員制度で参加することになり、第三者として見たら、これはどっちが正しいと
言えるのだろうか?
A さんに配慮が足りなかったと言われればたしかにそうだ。
しかしメーカーが絶対に影響しないと宣伝してるのを信じた結果ならば、A さんには
責任がないように思える。
これの本当の真実は、
B さんは携帯電話を利用している事を目の前でしばらく目撃し続けた結果呼吸困難に
陥ったのである。ペースメーカーにはたしかに影響が無かったが、妄信している結果、
心理的に作用し脳に影響を受けてしまった。
Bさんが言う、携帯電話を利用され続けた事により倒れたのは事実であり、真実である。
そしてペースメーカーに "携帯電話が影響を与えた" と信じている。
A さんが言う、携帯電話はペースメーカーに影響は与えないのは事実であり、真実である。
そしてペースメーカーに "携帯電話は影響を与えてない" と信じている。
これの結論はペースメーカーは関係なく、B さんが妄信することにより、影響を
受けてしまったという事です。
さて長くなりましたがこの赤文字の使い方ってさ、うみねこのなく頃にでも、
こーいう風に、強く信じる結果、その人には "魔法が使えた" というのは真実に
なっているんだと言う、自分なりの例を示せたと思う。
この話も魔女の手によれば、魔法で殺せたという幻想描写を見せれるかもしれないな。
しかし実態は、なんという珍しい事件パターンと言うべきか。
もちろん、現実には魔法は存在しないけどね。
誰の視点で語るかによって、赤文字の内容が一見矛盾しているように "錯覚する" のが
結構存在しているのは間違いないような気がする。
最後に蛇足ですが、絶対というのはほとんどの場合、絶対にないと思う。
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